わたしのmami(マミー=母)はボリビアにいたころ、バリバリのキャリアウーマンだったのです。
看護師長をしていました。
父が一足先に日本に向かったので、1年くらいmami、妹と3人暮らしでした。
とは言っても、ベビーシッターさんと叔母たちがサポートしてくれていたので、
父ちゃん不在の寂しさは紛れていたように思う。
mamiが当直当番の時は、空いている病室でお泊まり。
これはわたしの大好きなイベント!
mamiには「妹の面倒をみてね。外にはでちゃダメよ。」って言われていたのに、、、
妹がぐっすり眠っているのをチェックしてから、(面倒見る、、→言うこと聞いたよ!)、
夜の病院を散策するのが好きだったのです。(ごめんなさい!外が気になったの!)
かなりのいたずらっ子でした。
まあね。
結局はすぐに捕まって、病室のベットに戻されたか、
ナースステーションで眠くなるまで過ごすかのオチだったけど。
(mamiの同僚はみんな優しかった。)
その間も、mamiは妹の様子をチェックしながら、仕事をこなしていました。
看護師の仕事をとても愛していたと思う。
育児と仕事の両立は大変だったでしょ〜、って今聞いても、
‘そんなことないわ!わたしは、あなたたちが生まれてから、睡眠欲がなくなってしまったのよ。’
だそうです。
mamiは本当に素晴らしい人だ。
ええ。わたしは、スーパーマザコンです。笑
喧嘩もよくしますが。笑笑
ある日。
幼稚園で、‘お前は日本人だからこっち来るな!’
って、言われたのです。
その時の感情がどうだったかはあまり覚えていないけど、
なんでそんなことを言うのかしら、、?よくわからなくて、
家に帰ってこのことを話しました。
そしたらmamiは、
『あなたはどこに行っても、外国人なのよ。
だから、どの国に行っても、その国の習慣や言葉を覚えて馴染めるようにしようね。』
と。
ショックとか悲しいとかは一切なく。
素直に、
‘わーお!そうなのね!はーい、うん!馴染むようにする!’
って、感じだったのを覚えている。
とてもmamiらしい言葉。
この言葉もあったから、
来日当初の、日本語ゼロサバイバルを切り抜けられたのかもしれません。
「がいじん!がいじん」
と言われて、悲しくなかったとは言わないけど、
そこまで響かないというか。
うん!そうだよ。外国人だもの。
と。
ありがとう。mami!
ただ、
日本でも言われているのを知ったmamiは、
泣いてしまいました。(mamiの数少ない涙のひとつ。)
***
話は少し変わりますが、
皆さんは「ショコラ」という映画をご存知でしょうか。
ショコラ:CHOCOLAT(2000)
製作国:アメリカ
ジョニデ(役名:ルー)も出ていたよ。
母(役名:ヴィアンヌ)と娘(役名:アヌーク)が全く知らない土地で、一からはじめていく様子。
まわりから好奇の目で見られ、皆と違うことに反感を買ってしまうヴィアンヌ。
アヌークが抱える葛藤が妹と重なったり、二人が見られる目は私たち家族が実際に感じたことある視線だったり。
ただその中でも、心開いてくれる優しい方が当時の私たちが住んでいたご近所さんにもいたりで、
わたしが日本に来た頃と似ていて、とても心揺さぶられたのです。
この映画を観て、自分の居場所は自分で決めるものなのね。
と、アイデンティティクライシスに陥っていたわたしの気持ちが軽くなったのです。
「あなたはどこの国にいても外国人。」
だから、自分の居場所は自分決めるのよ。
mamiの言葉がまた違う角度から登場した瞬間でもありました。
主人公のヴィアンヌとmamiが少し似ていて。そこも良かった。
もう一度。
mamiありがとう!
Gracias mamita!te quiero mucho!
ライター:セシリア久子
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