5月19日。港区立男女平等参画センター・リーブラの講座「ホントは多様な日本人~海外にルーツを持つ子どもたちから考えるダイバーシティ講座」で、田中宝紀さんの講演に参加してきました。田中さんは東京都福生市にあるNPO法人 青少年自立援助センター 「YSCグローバル・スクール」で代表をつとめていらっしゃいます。
海外ルーツの子ども達をめぐる現状と課題
田中さんの報告では、海外ルーツの子どもたちの現状や課題などが報告されました。
とくに印象的だったのが、「言語」を基準にしてみた場合でも、単に「言葉が話せない」ことだけが問題なのではなく、言葉が話せない状況が生活のあらゆる場面に影響している状況が子どもたちの直面する課題から見えてきました。
それは、親子関係、学校とのやり取り、友だちとの交友関係、思春期にまつわるいろいろな悩み、そして自分のアイデンティティなどとても多岐にわたっていること。
そして全く日本語の支援を受けれていない子どもたちが一万人もいるという現実の中で、 いかにその子どもたちへ向けて日本語学習の機会を提供するのか、という 田中さんとYSCグローバルスクールの挑戦の意義が非常に重要なことであると感じました。
また、講座のタイトルの内容に合わせて、「日本人とは何か」というテーマでも ご自身の経験や子どもたちの状況からもお話をされていて、単に国籍や外見からでは判断できない、多様性について改めて考えさせられる機会となりました。
日本社会で暮らす「ハーフ」や多様な人々
第2部では、私の「ハーフ」研究として、日本社会のハーフやクォーターなどに関する現状を報告した後、日本社会の多様性について話しました。
「ハーフ」研究では、まず現状増加する人口と、国籍やルーツ、外見、親の移動の背景、文化、経験、名前などによってたようなケースがあることなどを話しました。
また、日常生活の側面では、まだまだいじめや偏見にさらされるケースや、就職差別の経験などについてエピソードを紹介しました。
今回の講座ではわたしの中でもすごく考えることが多く実り多い機会でした。 会場に対して、「『日本人』って何でしょうかね?」と私自身問いかけながらも、 自分自身は「なにじんと答えるのか」「自分を日本人だと思うか」というクエスチョンについてやっぱりまだまだぼんやりとしか答えられないということも感じました。 そこまぼんやりでもよいのかもしれませんが。
反省としては、時間の関係で十分にできなかったのですが、 やはりこのテーマ、「日本人」もしくは「日本社会」というテーマについて、 もうちょっと込み入った対談ができればよかったな、と感じました。 またもう一回田中さんと対談できればと期待しながら、またこれからの活動につなげていければと思います。
また、田中さんから「共に発信を。」という格言を教えていただき、 私自身も、このサイトでの情報発信のときの座右の銘としていきたいなと思います。
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(ライター:下地 ローレンス吉孝)
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